「総悟」
光を反射している、目の前の滑らかな髪に口付ける。その下にある瞳は、この酔っぱらい、という非難の視線を送っていた。それにもめげず、土方は総悟を抱きしめる。
「お前に、入れたい」
アルコールですっかり温まった体を、総悟に擦りつける。すると、総悟も土方の背中に腕を回してきた。土方の目尻が、思わず下がる。
「土方さん……」
土方の首筋に顔を寄せ、総悟は囁いた。
「俺もです」
「そ、れじゃ早速……」
行為に対する同意と受け取った土方はいそいそと体を離そうとする。けれども総悟は土方の背中から腕を回そうとしない。それどころか、その両手で土方の尻をおもむろに掴んだ。
「俺も、入れてぇです」
「……ん?」
予想外の反応に、土方は首を傾げる。不思議そうな土方の顔を、総悟は見据えた。
「土方さんに、俺の童貞もあげてぇんでさァ」
「えっ、え?」
困る土方をよそに、総悟は土方に枝垂れかかる。
「俺の処女は土方さんにあげやしたから、童貞も貰ってほしいんです」
可愛い態度とは裏腹に恐ろしいことを言っている総悟を抱きしめ、土方は固まってしまった。
こんな土沖を考えてにやにやしてました。
これって土沖でしょうか。
この後土方はどうするんでしょうか。
酔った勢いで尻にワセリン塗って突き出すんでしょうか。
童貞はいらないと突っぱねるのでしょうか。
もらっちゃえばいいのに。