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日記です。 戻るときはプロフィール欄の『デーツ』から。
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むかしむかしあるところに 残虐非道の王国の
頂点に君臨するは 齢十八の王子様
絢爛豪華な調度品 澄ました顔の召使
お城の窓から見える街 全てが全て王子のもの

有り金消え失せたのならば 愚民どもから巻き上げろ
俺に逆らう連中は 殲滅してしまえ

「さあ、ひざまずきなせェ」

悪ノ華 高貴に咲く 恐ろしい彩りで
周りの哀れな毒虫は 嗚呼 醜く腐って地に堕ちる


暴君王子は城の中 民の前には顔見せず
部屋に籠って只管に 召使と踊り笑う
民は夜露で飢え凌ぎ 王子はおやつにブリオッシュ
忠臣の首は刎ねさせて 隣国攻めて領土広げ

幾多の家を焼き払って 幾多の命を消していく
苦しむ蒼生の嘆きは 王子には届かない

「ああ、おやつの時間でさァ」

悪ノ華 優雅に咲く 狂おしい彩りで
とても麗しい華なのに 嗚呼 毒が廻るから触れない


悪の王子を倒すべく ついに人々は立ち上がる
烏合の集の目的は 顔も知らぬ王子の頸
つもりにつもったこの怒り 国全体を包み込んだ
長年の戦で疲れた 兵士たちなど敵ではない

ついに王宮は囲まれて 家臣たちも逃げ出した
気高く華麗な王子様 ついに捕えられた

「この、無礼者」

悪ノ華 高雅に咲く 悲しげな彩りで
彼のためだけの箱庭は 嗚呼 脆くも儚く崩れてく


むかしむかしあるところに 残虐非道の王国の
頂点に君臨してた 齢十八の王子様
処刑の時間は午後3時 教会の鐘が鳴る時間
王子と呼ばれたその人は 一人牢屋で何を思う

ついにその時はやってきて 終わりを告げる鐘が鳴る
民衆などには目もくれず ―王子―はこういった

「ああ、おやつの時間だな」


悪ノ華 高貴に散る 誇らしい彩りで
のちの人々はこう語る 嗚呼 彼こそまさに悪ノ王子

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