あるところに口は悪いが手先は器用で、機織りの得意な総悟という少年がおりました。
また別のところには、目付きは悪いが優しい牛飼いの十四郎という青年がおりました。
2人とも真面目でよく働き、また見目も麗しく、周囲の人間に愛されておりました。
そんな2人が出会い恋に落ちるのはもはや必然。
光の速さで結婚までこぎ着けました。
しかしどうでしょう、いざ2人は結婚すると互いに互いしか目に入らず、
四六時中家の中でにゃんにゃんを繰り返していました。
これでは総悟の織物を楽しみにしていた人も
十四郎の飼っていた牛も悲しみました。
こりゃいかんと思った松平公は、
とりあえず2人に天の川を挟んでむりやり別居をさせました。
そしてきちんと仕事をしていれば、7月7日だけは会うことを許されたのです。
しかしどうでしょう、今年は雨が降っていて川を渡ることができません。
十四郎は牛を抱えて悲しみに暮れました。
愛する人が住む彼方を見ようと顔を上げると、
華やかに着飾った服をこれでもかと水に浸しながら
ざぶざぶと川を渡ってくる総悟の姿が見えました。
しかも少しずつ流されています。
驚いた十四郎は急いで川に踏み入り、流されかけている総悟を掴まえました。
総悟は服も珍しく施した化粧も整えた髪もびしゃびしゃになりながら言いました。
「来ちった、土方さん。誕生日プレゼント下せェ」
2人は川の中央で熱い抱擁を交わし、来年までにはここに橋をかけようと約束しました。
って話をついったみながら考えたり、
お誕生日プレゼントに土方の処女を貰う話を考えていましたが
形になりませんでした。
誰か私をぶってください。
それでは総悟のお誕生日祝ってきます☆
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